Copilot Studioを会社で使う前に③|マネージド環境で、エージェントの共有範囲を絞る

CopilotStudio
Copilot Studio を会社で使うときの3つ目、マネージド環境を実機で検証しました。
環境を分けてDLPを当てても、「作った人が誰にでも配れる」状態は残ります。
ここでは、エージェントを共有できる相手と人数を管理側から絞ります。
操作した画面をすべて順番に載せているので、この記事だけで同じ設定を再現できます。

①で開発用の環境を作り、②でDLPを1本当てました。
ここまでで「どこで作るか」と「どう公開させないか」が決まっています。

残っているのは配る範囲です。
作った本人が組織の全員に共有できる状態のままだと、環境を分けた意味が薄れます。

この記事の道のり
マネージド環境とは何か → 有効にする前の状態を確認する → 設定パネルの中身を見る → 共有の制限を入れて有効にする → 作る側の画面で確認する → 環境に入れる人を絞る

 

いまここ

1マネージド環境とは
2有効にする前を見る
3設定の中身を見る
4共有の制限を入れる
5作る側で確認する
6入れる人を絞る

① マネージド環境とは何か

この節ですること

マネージド環境が何をする仕組みなのかを確認します。
まだ操作はしません。

終わるとこうなる

有料の追加機能ではなく、管理する側の道具だと分かります。

マネージド環境は、その環境だけ管理者の目と制御を強める設定です。
有効にすると、共有できる範囲の制限、ソリューションの検査、利用状況の週次レポートなどが使えるようになります。

今回の目的は、この中の共有の管理です。
エージェントを誰に、何人まで渡せるかを管理側で決めます。

用語マネージド環境:その環境だけ管理者の制御を強める設定。
共有の制限や検査、利用状況のレポートが使えるようになります。
用語編集者と閲覧者:エージェントを渡すときの2つの権限。
編集者は中身を直せて、閲覧者は使うだけです。
▲ 共有の制限は4段階。既定は制限なしで、下の1行が今回いちばん重要な前提
図の最下段のとおり、認証が「認証なし」のエージェントには、共有の制限が適用されません
②でDLPを使って「認証なし」を止めておくことが、この設定を効かせる前提になります。
3本の記事が、ここで1本につながりました。

 

マネージド環境は、有料の追加機能ではなく管理する側の道具です。
まずここを勘違いしないでおくと、話が早いです。

いまここ

1✓ マネージド環境とは
2有効にする前を見る
3設定の中身を見る
4共有の制限を入れる
5作る側で確認する
6入れる人を絞る

② 有効にする前の状態を確認する

この節ですること

環境の一覧で、いまマネージドになっているかどうかを見ます。

終わるとこうなる

変える前の状態が残るので、あとで見比べられます。

1環境の一覧でマネージドの列を見る

  1. 管理センター(admin.powerplatform.microsoft.com)を開く
  2. 左ナビの「管理」→「環境」
  3. 一覧の「マネージド」列を確認する
実際の画面
▲ 3つとも「いいえ」。まだどの環境にも管理の網がかかっていない状態

2環境の詳細を開く

  1. 対象の環境名(ここでは CopilotStudio45 開発)をクリック
  2. 詳細ページが開く
  3. セキュリティ グループの欄を確認する
実際の画面
▲ 詳細ページ。セキュリティ グループは「割り当てられていません」=入れる人を絞っていない状態
なぜそうするかマネージド環境を有効にする前に、いまの状態を控えておく。
あとで見比べられるだけでなく、「セキュリティ グループが未割り当て」のように、別に手を打つべき点もここで分かる。

同じページを下にスクロールすると、生成 AI 機能の欄がありました。
リージョン間でのデータ移動、Bing 検索、Microsoft 365 サービスが、それぞれ「許可する」になっています。

実際の画面
▲ 生成AI機能の3項目。エージェントが外部の検索や他サービスを使えるかどうかも、環境単位で決まる

 

いまここ

1✓ マネージド環境とは
2✓ 有効にする前を見る
3設定の中身を見る
4共有の制限を入れる
5作る側で確認する
6入れる人を絞る

③ 設定パネルの中身を見る

この節ですること

有効化のパネルを開いて、どんな設定が並んでいるかを一通り見ます。

終わるとこうなる

どれを触ればよいかの見当がつきます。

3マネージド環境のパネルを開く

  1. 詳細ページ上部のコマンドバーで「マネージド環境を有効にする」をクリック
  2. 右側に設定パネルが開く
  3. まだ「有効にする」は押さず、項目を確認する
実際の画面
▲ パネルの上部。ライセンスの要件と、共有の管理(Power Apps/Power Automate/Copilot Studio)が並ぶ
先にライセンスの確認パネルの冒頭に「マネージド環境のすべてのユーザーには、Power Apps、Power Automate、またはプレミアム使用許可の付いた Dynamics 365 のライセンスが必要です」と書かれています。
無償ライセンスだけの利用者がいる環境で有効にすると、その人たちが使えなくなる可能性があります。
本番のテナントでは、対象環境の利用者のライセンスを先に確認します。

下にスクロールすると、共有の管理のほかに3つの機能がありました。

用語ソリューション チェッカー:持ち込むソリューションを自動で検査する機能。
問題があるものをブロックすることもできます。
実際の画面
▲ ソリューション チェッカー強制(なし/警告/ブロックの3段・既定は警告)と、使用状況の分析情報
実際の画面
▲ 作成者向けの「ようこそ」コンテンツ、AIで生成されたアプリの説明(プレビュー)、データ ポリシーへの導線
  • ソリューション チェッカー強制:持ち込むソリューションを自動で検査する。
    ブロックまで上げると、問題があるものは取り込めない
  • 使用状況の分析情報:週ごとのダイジェストメールに、この環境の利用状況を含める
  • 作成者を歓迎するコンテンツ:作り始める人に社内ルールを表示できる。
    利用規約のURLも設定できる

 

いまここ

1✓ マネージド環境とは
2✓ 有効にする前を見る
3✓ 設定の中身を見る
4共有の制限を入れる
5作る側で確認する
6入れる人を絞る

④ 共有の制限を入れて有効にする

この節ですること

共有できる範囲を絞る設定を入れて、マネージド環境を有効にします。

終わるとこうなる

作った人が勝手に全社へ共有できない状態になります。

4Copilot Studio の共有設定を開く

  1. パネルの「共有の管理」まで戻る
  2. 「Copilot Studio」の左の「>」をクリックして展開する
実際の画面
▲ Copilot Studio の共有設定。編集者と閲覧者で分けて許可できる

説明文の最後に、今回いちばん重要な一文があります。

このエージェントの認証が「認証なし」に設定されている場合、共有制限は適用されません。

5人数の制限を入れる

  1. 「個人に限定して共有する (セキュリティ グループなし)」にチェックを入れる
  2. グレーだった「各エージェントにアクセスできる閲覧者の人数を制限する」が押せるようになる
  3. チェックを入れ、人数を入力する(ここでは 20)
実際の画面
▲ 個人限定にチェックを入れる前。人数の制限はグレーで押せない
実際の画面
▲ 個人限定にチェックを入れると人数の制限が有効になり、20 を設定できた
なぜそうするかセキュリティ グループに共有できる状態では、グループの人数によって実際の利用者数が変わる。
人数で縛るには、先に個人単位の共有へ限定する必要がある。
この順番があるため、人数の制限だけを単独で設定することはできない。

6有効にする

  1. パネル下部の「有効にする」をクリック
  2. 完了すると緑のバナーが表示される
  3. 環境の一覧に戻って「マネージド」列を確認する
実際の画面
▲ 「Power Platform のマネージド環境が CopilotStudio45 開発 に追加されました」
実際の画面
▲ 対象の環境だけ「はい」。他の2つは「いいえ」のまま
管理をかけたのは1つの環境だけです。
既定の環境や、他の利用者がいる環境には影響していません。
まず1つで試してから広げる、という順番はDLPのときと同じです。

 

共有の範囲を絞る設定を入れてから有効にしました。
作った人が勝手に全社へ広げられない、という状態にできます。

いまここ

1✓ マネージド環境とは
2✓ 有効にする前を見る
3✓ 設定の中身を見る
4✓ 共有の制限を入れる
5作る側で確認する
6入れる人を絞る

⑤ 作る側の画面で確認する

この節ですること

Copilot Studio に戻り、共有の画面がどう変わったかを見ます。

終わるとこうなる

設定が効いていることを自分の目で確認できます。

7共有ダイアログを開く

  1. Copilot Studio を開き、環境が対象のものになっていることを確認する
  2. エージェントを開き、右上の「…」をクリック
  3. メニューから「共有する」を選ぶ
実際の画面
▲ 「…」メニューの中に共有する。インポート/エクスポート/ソリューションの表示も同じ場所
実際の画面
▲ 共有ダイアログ。見た目は有効にする前と変わらない

ここで分かったのは、制限は画面から項目を消す形では現れないということでした。
ユーザーを追加する欄も、「組織内のすべてのユーザー」の選択肢もそのまま表示されています。

※ 制限が効くのは「共有しようとしたとき」

マネージド環境の共有制限は、実際に共有を実行した時点で判定されます。
人数の上限を超えたときや、セキュリティ グループを指定したときに止まります。
②のDLPが「選択肢がグレーになる」形で現れたのとは、効き方が違います。

検証はここまでにしています。
上限を超える共有を確かめるには、実際に多数の利用者へ配る必要があるためです。

 

いまここ

1✓ マネージド環境とは
2✓ 有効にする前を見る
3✓ 設定の中身を見る
4✓ 共有の制限を入れる
5✓ 作る側で確認する
6入れる人を絞る

⑥ 環境に入れる人を絞る(セキュリティ グループ)

この節ですること

セキュリティ グループを割り当てて、環境に入れる人を絞ります。

終わるとこうなる

指定した人だけが環境を開ける状態になります。

共有の範囲を絞ったので、最後に環境そのものに入れる人を確認します。
②で見たとおり、この環境のセキュリティ グループは「割り当てられていません」のままです。

8環境の詳細を編集する

  1. 環境の詳細ページを開く
  2. 「詳細」カード右上の「編集」をクリック
  3. セキュリティ グループの欄を確認する
用語セキュリティ グループ:人をまとめた名簿。
環境に割り当てると、その名簿に載っている人だけが入れるようになります。
実際の画面
▲ 開発者環境の編集パネル。セキュリティ グループは「この環境に割り当てることはできません」

開発者環境には、セキュリティ グループを割り当てられませんでした。
所有者だけが使う環境なので、入れる人を絞るという設定自体が用意されていません。

同じ画面をサンドボックス環境で開くと、表示が変わります。

実際の画面
▲ サンドボックス環境では鉛筆アイコンが出て、グループを割り当てられる

※ 未割り当ての意味

サンドボックス側の説明文には「テナント全体でアクセスを開くには、[なし] に設定します」と書かれています。
裏を返すと、グループを割り当てていない環境はテナント全員が入れるということです。
環境を分けただけでは、入れる人は絞られていません。

なぜそうするか環境を分ける目的が「関係者だけの場所を作る」ことなら、セキュリティ グループの割り当てまでが1セットになる。
ここまでやって、分離が実際に効く。
①で環境の種類を選ぶとき、開発者を選ぶと入れる人を絞れないという制約がここで効いてきます。
1人で検証するなら開発者環境で足ります。
チームで使う開発環境を作るなら、有料の容量を使ってでもサンドボックスを選ぶ理由がこれです。

 

セキュリティグループを割り当てると、環境に入れる人を絞れます。
開発者環境には割り当てられないなど、環境の種類で挙動が違いました。

ここまで完了

1✓ マネージド環境とは
2✓ 有効にする前を見る
3✓ 設定の中身を見る
4✓ 共有の制限を入れる
5✓ 作る側で確認する
6✓ 入れる人を絞る

⑦ 作業前に押さえておく仕様

  • プレミアムライセンスが前提:パネルの冒頭に明記されている。
    対象環境の利用者を先に確認する
  • 開発者環境にはセキュリティ グループを割り当てられない:入れる人を絞るならサンドボックス
  • グループ未割り当て=テナント全員が入れる:環境を分けただけでは絞られていない
  • 認証なしのエージェントには共有制限が効かない:DLPで「認証なし」を止めておくことが前提
  • 人数の制限は単独では設定できない:「個人に限定して共有する」を先に有効にする
  • 共有ダイアログの見た目は変わらない:制限は共有を実行した時点で効く
  • ソリューション チェッカーの既定は「警告」:止めたい場合は「ブロック」に上げる
  • マネージド環境は環境単位:1つだけ有効にして、他はそのままにできる

 

ここまで完了

1✓ マネージド環境とは
2✓ 有効にする前を見る
3✓ 設定の中身を見る
4✓ 共有の制限を入れる
5✓ 作る側で確認する
6✓ 入れる人を絞る

まとめ

  • 環境を分けてDLPを当てても、「誰にでも配れる」状態は残る
  • マネージド環境を有効にすると、共有の相手と人数を管理側で決められる
  • 編集者・閲覧者・個人限定・人数上限の4段階で絞る
  • 認証なしのエージェントには共有制限が効かないため、DLPとセットで考える
  • 有効化は環境単位。
    まず1つで試してから広げる
  • 環境に入れる人を絞るにはセキュリティ グループ。
    開発者環境では割り当てられない

3本を通してやったことは、作る場所を分ける・公開の仕方を縛る・配る範囲を絞るの3つでした。
どれも設定そのものは短時間で終わります。
時間がかかるのは、社内で「どこまで許すか」を決めるほうです。

※ 本記事は公開日時点の情報をもとに、筆者が実際に試した内容を整理しました。
Copilot Studio と Power Platform 管理センターは更新が続いており、画面や名称、既定値は変わることがあります。
最新の状況は公式情報(Microsoft Learn)もあわせてご確認ください。

※ 掲載している画面は、操作中に撮りました。
氏名・メールアドレス・環境IDなどは伏せています。
構成や図解の一部は、AI と壁打ちしながら作成しています。

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