このシリーズでは、社内での活動を何本かに分けて記録しています。1本目が社内Power Platformミートアップを初めてやってみて思ったことで、続きとしてミートアップ2回目と講座運営の全自動化を書きました。この記事は、それぞれをつなぐ地図の回です。
この記事のゴール:非IT部門から社内の推進を始めて続けるとき、どの順番で何をしてきたかを、年ごとの全体図で持ち帰ることです。
2023年に社内の推進役に手を挙げてから、3年がたちました。
社内の Power Automate 講座は、2年半で40回を超え、参加者はのべ3,000名を超えました。
有志のコミュニティを立ち上げて、100名規模の社内ミートアップも2回開いています。
最初からこの形を描いていたわけではありません。
やってみて、うまくいかなかったところを変えて、今の形になっています。
この記事では、その順番を年ごとに並べます。
この順番でした。
3年の全体図
年ごとに並べると、次のようになります。
右の列は、くわしく書いた記事です。
| 年 | やったこと | 規模 | くわしい記事 |
|---|---|---|---|
| 2022 | 自分の業務で Power Automate Desktop を使い始める | 自分の仕事 | 推進は担当を決めるより仲間を集める |
| 2023 | 社内の推進役に手を挙げる。フローの作り方を教える講座を始める | 部門の中 | ― |
| 2024 | 1年かけて Power Automate Desktop を覚える。教育会、部門のサイト、テンプレートの配布、相談窓口 | 部門の中 | 講座の第一歩 |
| 2025 | クラウド版の Power Automate に移り、本部全体の教育を担当。講座をフローを使うだけの形に変える | 毎回数百名規模のオンライン講座 | 使うだけでOKにした理由 半年続けてわかった9つのこと |
| 2025年末〜2026 | 有志のコミュニティを立ち上げ、社内ミートアップを2回開く | 各回100名超 | 1回目 2回目 |
| 2026 | 講座の運営を、7本のフローと5つのリストで全自動にする | 全8回 | 運営の全自動化 |

表の上から下へ、対象が自分の仕事、部門、本部、会社の横のつながりへと広がっています。
ただ、広げることを先に決めていたのではなく、そのときに足りないものを足していった結果です。
2023〜2024年:手を挙げて、まず自分が覚えた
私は製造技術の現場に長くいて、IT の仕事をしてきたわけではありません。
2022年に、誰かに言われたのではなく、自分の業務を楽にしたくて Power Automate Desktop を触り始めました。
人がマウスとキーボードでやっている作業を、手順として記録して再生するイメージです。
略して PAD と呼ばれます。
2023年、フローを満足に作れない段階で、社内の推進リーダーに立候補しました。
当時の自分のメモには、PAD を触って1年、今年から推進担当、社内に質問できる人がいない、と書いてありました。
2024年は、1年かけて PAD を覚えながら、次の4つを部門の中で始めました。
- 教育会:PAD の使い方を部門の人に伝える場。
自分が覚えたことを、その都度まとめて話した - 部門のサイト:SharePoint に資料を集める場所を作った。
調べたことを1か所に置いておくと、同じことを調べる人がそこを見ればすむ - テンプレートの配布:よく使う形のフローを配った。
白紙から作るより、動くものを直すほうが始めやすいため - 相談窓口:困ったときに聞ける先を1つ決めた。
聞ける人がいないことが、私自身が最も困ったことだったため

調べたものを部門のサイトに置いていったのが、あとで全社向けの資料置き場の元になっています。
2025年:作り方を教える講座から、使うだけの講座へ
作るの手前に段差があった
2023年からの講座は、フローの作り方を教える形でした。
めざしていたのは、参加者が自分でフローを作れるようになることです。

講座の場では作れても、職場に戻ると作り続けられない人がほとんどでした。
参加する人の毎日は、量産の準備、予算の申請、報告資料、定例会議で埋まっています。
学ぶ時間がそもそもありません。
作るは講師が持ち、参加者には使うところまでを渡す
そこで、作る部分は講師の私が持つことにしました。
参加者には、できあがったフローを使うところまでを渡します。
フローは ZIP ファイルに書き出して配れるので、受講後のアンケートに答えた人に届けて、自分の環境に取り込んでもらう形です。
完成した料理をタッパーに詰めて渡すようなもので、受け取った人は作り方を知らなくても使えます。

社内では Premium のライセンスを使えないので、配るフローは標準のコネクタだけで作っています。
この年、クラウド版の Power Automate に移って、本部全体の教育を担当するようになりました。
これは自分から申し出た役割です。
講座は Teams のオンラインで60分、毎回数百名規模になりました。
この形にした理由は使うだけでOKにした理由に、続けて分かったことは半年続けてわかった9つのことに書いています。
任命ではなく、集まる形にした
各部署から担当を1人ずつ出してもらうやり方は、興味のない人が名前だけの担当になりやすいと感じていました。
そこで、面白そうと思った人が自分から来られる形にしています。
考えたことは推進は担当を決めるより仲間を集めるにまとめました。
2026年:運営を仕組みにして、仲間とつなぐ
講座の運営を全自動にした
使うだけの講座にしたことで、回数を増やせました。
その分、講師の側の運営の作業が増えました。
申込の受付、会議の案内、アンケート、録画の公開、バッジ。
2025年はこれを全部手でやっていて、講座1回の裏に2〜3時間かかっていました(体感の値です)。
2026年は、全8回の運営を7本のクラウドフローと5つの SharePoint リストで回す形にしました。
人がやるのは、送ってよいかのチェックを1つ入れることだけです。
設計は社内講座の運営を手作業から全自動にした1年に書きました。
有志のコミュニティと、社内ミートアップ
社外のコミュニティイベントで、他社の社内コミュニティが活発なのを見たのが、立ち上げのきっかけです。
社内にも一人で改善を進めている人はいるのに、お互いを知らない。
それをつなぎたいと考えました。
- 2025年末:有志の運営メンバーで立ち上げを準備。
現地に来てもらうハードルが高く、最初は反応が少なかった(立ち上げの試行錯誤) - 2026年2月:1回目のミートアップ。
全社への案内はせず、人づての案内で100名を超えた(1回目の記録) - 2026年6月:2回目。
参加希望は100名を超え、会場は満員。
100名でも全員が参加できる交流を入れた(2回目の記録)
ミートアップの合間は、Teams のチャネルと SharePoint のサイトで、日々の質問や事例の共有を続けています。
ミートアップは年に数回の点、コミュニティはその間をつなぐ線、という位置づけです。
毎回数百名規模
振り返ると、この順番だった
非IT部門から始めて、私がやってきた順番は次のとおりです。
それぞれ、そうした理由も書いておきます。
- 自分の業務を自動化する:人に話せる実例が手元にできる
- 推進役に手を挙げる:役割があると、相談が集まる場所になる
- 調べたことを1か所に置く:聞ける人がいない状態を、次の人のために減らせる
- 作る人より先に、使う人を増やす:使うと作るの間の段差を、全員に越えてもらうのは難しい
- 使う人の中から、熱量のある人を見つける:講座のアンケートに、作ってみたいか、推進に関わりたいかを選ぶ問いを入れておく
- 運営を仕組みにする:回数が増えると、手作業では回らなくなる
- 横につなぐ:部門を越えて、相談できる相手を増やす

まだできていないこと
うまく回っている部分ばかりではありません。
今の課題は次の3つです。
- 作る人は、まだ一部:使う人は増えたが、自分でフローを作り続ける人は多くない。
アンケートで手を挙げた人に情報を届けるところは、まだ始めたばかり - 効果を数字で示しきれていない:講座の回数と参加者数は数えているが、配ったフローがどれだけ使われたかを見える形にするのは、取り組んでいる途中
- 本業との両立:推進は本業の部署の仕事と並行している。
全社向けの活動は、自分の部署に直接返る形になりにくく、両方に返る形を探している
もう1つ、一人では続かなかったと思います。
同じ目線で動いてくれる運営メンバーがいたので、コミュニティもミートアップも形になりました。
3年前の私は、フローも満足に作れませんでした。
手を挙げて、使う人を増やして、仲間とつなぐ。
この順番で続けてきて、今の形があります。
このシリーズでは、この全体図のそれぞれの部分を、続けてくわしく書いていきます。
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※ 本記事は公開日時点の情報と、筆者が実際に運営・検証した内容をもとにまとめています。画面や仕様は変更されることがあるため、最新の状況は Microsoft Learn もあわせてご確認ください。
※ 本記事の構成や図解の一部は、AI と壁打ちしながら作成しています。


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