こんにちは、はる(@isamu_Automate)です。社内研修やコミュニティ運営をしてきて、ひとつ確信していることがあります。
非IT社員が Power Automate を「続けられる人」になるかどうかは、最初の数週間で決まる──そして、その分かれ目は技術力ではなく “考え方” の方にあります。
はじめに:なぜ多くの人が”3週間”で離脱するのか
「Power Automate を学ぼう」と動き出した人の多くは、最初の3週間以内にフェードアウトしていきます。理由は驚くほど共通していて、
- YouTubeで見た”派手なフロー”を再現しようとして、設定が複雑すぎて手が止まる
- 「業務全体を自動化しよう」と大きすぎる目標を立てて、どこから手を付けるか分からない
- 1本作っただけでは「これ自動化って言えるのかな…」と自信が持てず、誰にも見せられない
どれも本人の能力の問題ではありません。“考え方の置き方”がズレているだけ。

大事なこと①:完成品のハードルを低くする
真っ先に伝えたいのがこれです。「完成」の定義を、自分の中で意識的に下げる。
たとえば「経費精算を完全自動化する」を最初のゴールにすると、Forms・SharePoint・Approvals・Teams・条件分岐・例外処理…と必要パーツが10個以上に膨らみます。これを最初の1本で目指すと、まず確実に挫折します。
そうではなく、
- “申請が届いたら自分宛にメールが飛ぶ”だけのフロー
- “毎朝、自分のTeamsに今日の予定を1行投稿する”だけのフロー
これでも立派な「完成品」です。動くものを1本作った事実が、続ける力をくれます。

大事なこと②:難しいものを目指さない
YouTube や記事には「すごいフロー」がたくさん紹介されています。AI と連携したり、複数のシステムを横断したり。ついそれが”あるべき姿”に見えてしまう。
でも、社内で本当に役に立つのは 地味で小さい自動化 の方です。
- 毎週金曜にチームのタスク一覧をTeamsに自動投稿
- Formsに届いた問い合わせをSharePointに記録するだけ
- Excelに新しい行が追加されたら、上長にメール
「これだけ?」と思うくらいシンプルなフローこそ、現場で毎日使われ、感謝される自動化になります。
派手なフローは、Power Platform 開発者の領域。私たち非IT社員の役割は、自分の手元の小さな手間を確実に1つずつ無くしていくことです。
大事なこと③:小さく始めて、小さくアウトプットする
1本フローを作ったら、必ず 誰かに見せる。これが3つ目です。
「完璧になってから見せる」は永遠に来ません。完璧の基準は時間とともに上がり続けるから。
代わりに、こんなアウトプットでOKです:
- 部署内Teamsに「こんなフロー作ってみました(スクショ1枚)」と投稿
- X(旧Twitter)に「Power Automateで毎朝の予定通知が動いた!」と1行ツイート
- 社内ポータルに「フロー作りました」一言メモ
“使われた人がいる”事実は、フローそのものより何倍も大切です。それが社内DXの最初の波紋になります。

大事なこと④:そこから徐々に大きくしていく
そして、ここが大事なのですが──“ずっと小さくいる”必要はありません。
最初の1本を出した後、徐々にスコープを広げていきます。例えば、
- 1本目:自分宛にメール通知するだけ(10分で完成)
- 2本目:申請内容をSharePointリストに記録するように拡張
- 3本目:上長への承認フロー(Approvals)を追加
- 4本目:却下時の差し戻し通知を Teams で送る
- 5本目:データを月次でExcelに集計する
こうやって “1本目の延長線上” で機能を増やしていくと、気づけば「業務まるごと自動化」が完成しています。
最初から完成形を目指して脳内シミュレーションするのではなく、動くフローを少しずつ大きくしていく。これが続けられる人の作り方です。

PA45で実践していること
私が主催する PA45(Power Automate 45分) では、この4つの考え方をそのまま運用にしています。
- 1回45分:完成品のハードルを物理的に下げる
- 1回1アクション:毎回1つだけ覚える。難しいものを目指さない
- 毎週木曜開催:小さくアウトプットを続ける場所を作る
- 第1回〜第10回まで連続性のあるカリキュラム:徐々に大きくしていく道筋
変数の初期化(第1回)から始まって、第10回では Forms × SharePoint × Approvals × Teams を1本のフローにまとめるところまで進みました。「45分の積み重ね」が、確実に業務応用までたどり着いた実例です。
まとめ:完璧を目指すより、続けられる仕組みに振り切る
非IT社員が Power Automate を続けられる人になるための4つの考え方:
- 完成品のハードルを低くする
- 難しいものを目指さない
- 小さく始めて、小さくアウトプットする
- そこから徐々に大きくしていく
大事なのは「すごいフローを作れる人」になることではなく、「来週も Power Automate を触っている人」になること。
完璧を目指すより、続けられる仕組みに振り切る。それが、結果的に一番遠くまで連れて行ってくれます。

※ 本記事は公開日時点の内容です。筆者が実際に試した手順をまとめたもので、Power Automate や各サービスの仕様は今後変わる可能性があります。
※ 記事の構成・図解の一部は、AIを壁打ち相手にしながら作成しています。


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