この記事のゴール:社内でフローを作る人を増やしたいとき、全員を作る人にしようとせず、使う人の中から作りたい人を見つけてつなぐ形を持ち帰ることです。
社内の推進では、自分で業務を自動化できる人、いわゆる市民開発者を増やしたいという話がよく出ます。
私も最初は、講座でフローの作り方を教えて、作る人を増やそうとしていました。
今は順番を変えています。
先に使う人を増やして、その中から作りたい人を見つけるやり方です。
見つける方法は、毎回の講座のアンケートに入れている1問です。
この記事では、その1問と、見つけたあとにしていることを書きます。
作る人を先に増やそうとしない

作り方を教える講座では、講座の場では作れても、職場に戻ると作り続けられない人がほとんどでした。
参加する人の多くは、本業の仕事で毎日が埋まっていて、学ぶ時間がそもそも取れません。
各部署から担当を1人ずつ決めてもらうやり方も、うまくいく形が見えませんでした。
興味のない人が担当になると、名前だけの担当になりやすいためです。
このことは推進は担当を決めるより仲間を集めるに書きました。
そこで講座は、できあがったフローを配って使ってもらう形に変えました。
理由は使うだけでOKにした理由にまとめています。
プロの大工ではない人が、自分の家の棚を自分で作るようなイメージです。
使う、変える、作るの順に進む
使うだけの講座を続けていると、配ったフローをそのまま使うだけでなく、少しずつ手を入れる人が出てきました。
講座のあとに、配られたフローを自分の部署用に直して使っている、自分でも一から作ってみたい、という声が届くようになりました。
くわしくは講座を続けて気づいたDX推進の本質に書いています。
振り返ると、参加者は次の3つの段階を順に進んでいました。
| 段階 | 参加者がしていること | こちらが用意しているもの |
|---|---|---|
| 使う | 配られたフローを取り込んで、自分の仕事で動かす | 配るフロー、取り込みの手順、講座 |
| 変える | 宛先や保存先、条件を、自分の仕事に合わせて直す | 質問できる社内のコミュニティ |
| 作る | 自分の業務のフローを、一から作る | 作りたい人向けの情報、ミートアップのハンズオンや発表の場 |
使うと作るの間にいきなり段差を越えてもらうのではなく、変えるという中間の段階をはさむと、上に進む人が出てきます。
動いているフローを直すほうが、白紙から作るより始めやすいためです。

フローを満足に作れるようになったのは、そのあとです。
毎回のアンケートに入れている1問
使う人が増えても、その中の誰が作りたいと思っているかは、外からは見えません。
そこで、毎回の講座のアンケートに、今後について近いものを選ぶ問いを最初から入れています。

選択肢は、次の3つのような形です(文言はイメージです)。
- 今後、自分でフローを作ってみたい
- 社内の推進にも関わってみたい
- まずは使うだけでよい
この形にしている理由は3つあります。
- 選ぶだけで答えられる:自由記述で意欲を書いてもらうより、選択肢のほうが気軽に答えられる
- まずは使うだけでよい、も選べる:使うだけの人を否定しない。
講座の入口は使うだけ、という約束と矛盾させないため - 毎回入れておく:作りたいと思うタイミングは人によって違う。
何回目かの講座で、はじめて選ぶ人もいる
講座のあとのアンケートに答えると、配るフローとバッジが届く形にしています。
アンケートが配る仕組みの入口になっているので、1問を足すだけで、毎回の参加者に聞くことができます。
スタンプカードのように集めていけるので、やらされている講座ではなく、続けて参加する楽しさにつなげるために入れています。
見つけた人に、手厚く届ける
作ってみたい、推進に関わってみたい、を選んだ人には、使うだけの人とは分けて、情報を手厚く届けるようにしています。
- 個別に情報を届ける:Outlook や Teams で、作る人向けの情報や次の機会を案内する
- コミュニティに案内する:社内の有志コミュニティ(Teams のチャネルと SharePoint のサイト)で、作りながら質問できるようにする
- ミートアップで手を動かす場を用意する:社内ミートアップのハンズオンで、その場で作るところまで体験してもらう
- 話す場を用意する:ミートアップの LT で、作った人が自分の事例を話す
社内ミートアップの2回目では、IT の部署ではないメンバーが、はじめて Power Apps で作ったアプリの話をしました。
作った人が話すと、聞いている人が、自分にもできそうと感じるきっかけになります。
私自身も、Power Apps は未経験のところから、講座の参加者が自分の受講状況を確認できるアプリを作りました。
その経緯はPowerApps未経験者がCopilotを活用してPPECでアプリを紹介した話に書いています。
使う人を増やすこととの関係
作る人が出てくるのは、使う人の中からです。
使う人が少なければ、見つかる人も少なくなります。
講座で使う人を増やすことと、配ったフローがどれだけ使われたかを見える化すること(実行回数で見える化した仕組み)は、この入口を広げるためにやっています。
まだできていないこと
- 作る人は、まだ一部:作りたいを選ぶ人は毎回少しずつ出てくるが、作り続ける人になるまで進む人は多くない
- 届ける形は始めたばかり:手を挙げた人に何を、どの順で届けるかは、まだ決まった形になっていない
- 作る人向けの講座はこれから:使うだけの講座とは別に、作る人を育てる講座の形を考えている途中
- 使うだけの人が多いのは前提:全員が作る人になることはめざしていない。
使うだけで楽になる人が増えることも、推進の成果だと考えている
まとめ
- 作る人を先に増やそうとせず、まず使う人を増やす
- 使うと作るの間に、変えるという段階をはさむ
- 毎回のアンケートに、作りたいか、推進したいかを選ぶ1問を入れておく
- まずは使うだけでよい、も選べるようにしておく
- 手を挙げた人には、コミュニティとミートアップで、作る段階へ進める場を用意する
作る人は、こちらが任命して増やすものではなく、使う人の中に最初からいます。
その人を見つけて、つなぐのが、今の私の推進の役割だと考えています。
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※ 本記事の構成や図解の一部は、AI と壁打ちしながら作成しています。


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