作らせる前に、使ってもらう|Power AutomateとNode-RED

社内DX推進・人材育成
ビジュアルプログラミングIoTLT vol.24(2026-09-24・オンライン)で話した5分のLTを、スライドと一緒に文章に残した記録。
この記事のゴール:Power Automate と Node-RED で同じフローを組んだときの違いと共通点、そこから考えた非エンジニアに教える順番を持ち帰ることです。

2026年9月24日のビジュアルプログラミングIoTLT vol.24 で、5分のLTを担当しました。

演題は作らせる前に、使ってもらう。
社内で非エンジニアに Power Automate を教えてきた順番の話です。

ビジュアルプログラミングIoTLT は、Node-RED を使う人が多いコミュニティ。
そこで、普段の Power Automate のフローを Node-RED でも組み、2つを並べるところから話を始めました。

結論を先に書いておきます。

Node-RED も Power Automate も、完成したフローを読み込めばすぐ動く。
だから教えるときは、作るより先に、配ったフローを使ってもらう順番にしています。

 

いまここ

1同じフローを組む
2並べて比べる
3違いと共通点
4社内で教えた順番

Node-RED で、いつものフローを組んでみた

この節で分かること

Node-RED を自分のPCに入れて、Power Automate と同じフローを組んだ手順を見ます。
読み終えるとこうなる

比べる題材と、Node-RED を動かすまでの手間が分かります。
Node-RED、さわったことがありませんでした
▲ スライド3ページ:Node-RED はさわったことがなかった

Node-RED を使ったのは、このLTの準備が初めて。
この記事の比較も、1本のフローを組んで動かした範囲にとどまります。

Node-REDブラウザ上で、ノードと呼ぶ箱を線でつないで処理を組むツール。
Node.js の上で動くので、自分のPC・Raspberry Pi・クラウドのどこでも動かせる(nodered.org の About ページ)。
3ステップの流れ
▲ スライド4ページ:やってみたこと。入れる、同じフローを組む、並べて比べる

Node.js が入っている PC なら、起動は次の1行で済みました。

npx node-red

あとはブラウザで http://localhost:1880 を開けば、フローを組む画面(エディタ)が出てきます。
エディタを閉じても Node-RED 本体は裏で動いたままで、止まるのは起動したコマンドの画面を閉じたとき。

題材は、JPO365UG 第57回でも使った備品の購入依頼を、種類で担当に振り分けるフロー。
依頼が来たら種類で担当を決め、受付番号を付けて担当に知らせる、という流れです。

Node-RED 側のフローの作り方

ノードを画面で1つずつ置いたのではなく、フローを JSON で用意して読み込んでいます。
Teams への通知の代わりに、デバッグ欄へ通知文を出すところまで。
後半の、読み込めばすぐ動くという話は、この作り方から出てきました。

 

いまここ

1✓ 同じフローを組む
2並べて比べる
3違いと共通点
4社内で教えた順番

2つの画面を並べて比べる

この節で分かること

全体の形・分岐・動かしたあとの確かめ方の3つを、画面で比べます。
読み終えるとこうなる

見た目は違っても、考え方が同じ所がどこかが分かります。

全体:積むか、線でつなぐか

Power Automate は縦に積む、Node-RED は左から右へ線でつなぐ
▲ スライド5ページ:同じ仕事を、2つのツールで組んだ全体
Power Automate上から下へアクションを積んでいく。
分岐は、スイッチの箱の中で横に広がる。
Node-RED左から右へ、ノードを線でつなぐ。
1つの出口から何本でも線を引ける。
ノード(Node-RED)Node-RED で処理を1つ受け持つ箱。
Power Automate でいえばアクションにあたる。

分岐:名前まで同じスイッチ

Power Automate のスイッチと Node-RED の switch ノードの設定画面
▲ スライド6ページ:分岐は、どちらもスイッチ

種類で担当を分ける所は、どちらもスイッチという名前でした。
Power Automate ならスイッチの中にケースを並べ、Node-RED なら switch ノードに条件を並べる。
条件の数だけ、ノードに出口が増えていきます。

どれにも当てはまらないときの行き先も、両方にあります。
Power Automate では既定、Node-RED ではその他という項目。

動かしたあと:実行履歴か、デバッグ欄か

Power Automate の実行履歴と Node-RED のデバッグ欄
▲ スライド7ページ:動かしたあと、結果を確かめる場所が違う(Power Automate 側は別のフローの実行履歴)

Power Automate では、実行履歴を開くとアクションごとに成功の印とかかった秒数が並びます。
一方の Node-RED は、画面右のデバッグ欄に、流れてきた中身がその場で出てくる形。

なお、スライドの Power Automate 側は、PA45 第28回で使った別のフローの実行履歴です。
Node-RED 側は、備品フローに3件の依頼を流したときの画面になります。

msg.payloadNode-RED でノードからノードへ渡るデータ(msg)のうち、中身を入れる所。
デバッグ欄は、既定でここを表示する。

 

いまここ

1✓ 同じフローを組む
2✓ 並べて比べる
3違いと共通点
4社内で教えた順番

違いと、いちばんの共通点

この節で分かること

さわって分かった違いを表で整理し、共通点を1つに絞ります。
読み終えるとこうなる

Node-RED と Power Automate の向き不向きと、教え方につながる共通点が分かります。
動く場所・つなぐ先・値の受け渡し・反映・配り方の比較表
▲ スライド8ページ:さわって分かった違い
  • 動く場所:Power Automate は Microsoft のクラウド。
    Node-RED は自分のPC・Raspberry Pi・クラウドなど、Node.js が動く所
  • つなぐ先:Power Automate は Teams・Outlook・SharePoint など Microsoft 365。
    Node-RED は HTTP・MQTT・センサーなどモノまわり
  • 値の受け渡し:Power Automate は前のアクションの値を動的コンテンツから選ぶ。
    Node-RED は msg がノードからノードへ流れる
  • 反映:Power Automate は保存すれば動く。
    Node-RED はデプロイして初めて、サーバー側で動く
  • 配り方:Power Automate はエクスポートした ZIP をインポートする。
    Node-RED は JSON を貼り付けて読み込む
デプロイ(Node-RED)エディタで組んだフローを、動いている Node-RED 本体に反映する操作。
画面右上のデプロイボタンを押すまで、編集は動作に反映されない。

Node-RED 側の説明は、nodered.org の公式ドキュメントで確認したもの。
確認したページは、記事の最後にまとめました。

共通点:完成品を読み込めば、すぐ動く

Node-RED のフロー読み込み画面
▲ スライド9ページ:いちばんの共通点。完成品を読み込めば、すぐ動く

Node-RED には、人が作ったフローを JSON で読み込む機能が標準で付いています。
メニューの読み込みを開いて、JSON を貼り付けるか、ファイルを選ぶだけ。

Power Automate も、エクスポートした ZIP をインポートして接続を選べば、その日から動かせます。
作れない段階でも、まず使うところから入れる。
並べてみて、ここは両方に共通していました。

インポート(Power Automate)別の環境でエクスポートしたフローの ZIP を、自分の環境に取り込む操作。
取り込むときに、Teams や SharePoint への接続を自分のアカウントで選び直す。

 

いまここ

1✓ 同じフローを組む
2✓ 並べて比べる
3✓ 違いと共通点
4社内で教えた順番

社内で教えてきた順番

この節で分かること

社内の講座で、作るところから教えるのをやめた理由と、いまの順番を見ます。
読み終えるとこうなる

ビジュアルプログラミングを教えるときの、知る・使う・作るの順番が分かります。
ここから社内の話
▲ スライド10ページ:最初は、いきなり作ってみようから教えていた

社内で Power Automate の講座を始めたころは、最初からフローを作るハンズオン形式。
その場では作れても、講座のあとに自分で作り続ける人は、なかなか出てきませんでした。

ビジュアルでも、ゼロから作るには時間がかかる
▲ スライド11ページ:理由は、みんな忙しすぎること

ビジュアルプログラミングでも、ゼロから作るには画面の場所や部品の名前を覚える時間が必要です。
本業の合間だと、そこまで学んで作る余裕はなかなか取れません。

知る、使う、作るの階段と、使うと作るの間の大きな段差
▲ スライド12ページ:作るの前に、知る・使うの2段がある

知る・使う・作るを階段にすると、使うと作るの間に大きな段差があります。
そこで講座のゴールは使うまでにして、作るはそのあとの別の階段として扱うことにしました。

知る、ZIPを取り込んで使う、翌日から自動で回る
▲ スライド13ページ:講座では、配ったフローを使うだけにした

いまの講座で配るのは、完成したフローの ZIP。
参加者は取り込んで接続を選ぶだけで、フローは作りません。
講座の翌日には、自分の業務でそのフローが動いている状態になります。

フロー図と、ここで担当を分けているのか、という吹き出し
▲ スライド14ページ:使っていると、中身を開いてみたくなる

毎日動いているフローなら、図を開いたときに、どこで何をしているかが読めます。
ここを変えれば別の仕事にも使える、と考え始めるのはその後。

ビジュアルプログラミングの図は、作るための道具であると同時に、動いているものを読むための道具でもある。
いまはそう考えています。
この順番がどの職場でも合うかは、まだ分かりません。
社内の講座で試してきた形なので、作るところまで進む人をどう増やすかは、別の課題として残っています。

 

まとめ

まとめ
▲ スライド15ページ:作らせる前に、使ってもらう
  • Power Automate と Node-RED は、組み方・確かめ方・動く場所が違う。
    分岐はどちらもスイッチで、考え方は同じ
  • どちらも、完成したフローを読み込めばすぐ動く(Power Automate は ZIP のインポート、Node-RED は JSON の読み込み)
  • 教えるときは、まず動くものを渡して使ってもらう。
    図を読むのはその次、作るのはそのあと

Node-RED については、まだ1本のフローを組んだだけ。
ダッシュボードや、追加のノードを入れる使い方は試していません。

同じ備品フローを Copilot Studio と組み合わせた話は、JPO365UG 第57回の登壇内容として別の記事にまとめています。

Node-RED の説明で確認したページ(2026-09-23 確認)

 

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※ 本記事は公開日時点の情報と、筆者が自分のPCと検証用の環境で試した結果をもとにまとめています。画面や仕様は変更されることがあるため、最新の状況は公式情報(Microsoft Learn・nodered.org)もあわせてご確認ください。

※ 本記事の構成や図解の一部は、AI と壁打ちしながら作成しています。

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