📝 この記事は、Copilot Studio・Power Automate・Word の3つをつなぐ手順を、
実際に動かしながら整理したものです。
画面や仕様は更新が続きます。最新の情報は
Microsoft 公式(Microsoft Learn)をご確認ください。
2022年から、Power Automate for Desktop とクラウドフローの社内展開に取り組んできました。
そこでいちばん要望が多かったのが「聞かれたことに答えるだけでなく、書類まで作ってほしい」というものです。
Copilot Studio で受け付けて、Power Automate で処理して、Word で文書にする。この3点セットがその答えになります。
チャットで聞かれた内容を、そのまま申請書や報告書にできたら早い。
ただ、3つのサービスをまたぐので、どこで何を設定するのかが最初は見えません。
この記事では、先に作る順番と、名前をそろえる場所の2つに絞って、最後まで通します。

ただ、つながらないという話も同じくらい聞きます。詰まる場所は、だいたい順番か名前のどちらかでした。
📋 この記事で分かること
- 3つのサービスをつなぐときの正しい順番(ここを間違えると選択肢にすら出てこない)
- Word 側の「コンテンツコントロール」の設定手順(開発タブの出し方から)
- Power Automate で Word テンプレートに値を流し込む方法
- Copilot Studio からフローを呼び出して、戻り値を受け取るまで
- つながらないときに見る4か所
全体像:どこで何が起きているのか
3つのサービスは、それぞれ役割が違います。まずここを分けて捉えると、設定画面で迷わなくなります。
Copilot Studio=ユーザーと会話して、必要な情報を集める係。
Power Automate=集めた情報を受け取って、実際の処理をする係。
Word=処理した結果を、決まった書式で出す係。
会話で集めた値が、フローを通ってWordの空欄に入る。やっていることはそれだけです。
値が通る道が1本つながっているかどうかが、動くか動かないかの分かれ目になります。
呼び出される側から先に作ります。Copilot Studio から見ると、Power Automate のフローは「選ぶもの」です。
まだ保存されていないフローは、選択肢に出てきません。
手順①:Word にコンテンツコントロールを設定する
Power Automate から Word に値を渡すには、Word 側で受け取る場所を先に用意しておく必要があります。
それが「コンテンツコントロール」です。
ただ、この機能は「開発」タブの中にあり、そのタブが既定では非表示になっています。
まずここを出すところから始めます。
[ファイル] → [オプション] → [リボンのユーザー設定] を開き、右側の一覧で「開発」にチェックを入れてOKを押します。これで上部のリボンに「開発」タブが増えます。
差し込みたい文字列(プレースホルダー)を選択した状態で、「開発」タブの「テキストコンテンツコントロール」をクリックします。選択した部分がグレーの枠で囲まれれば挿入できています。
挿入したコントロールを選んだまま「プロパティ」をクリックし、タイトル欄に変数名を入力します。
ここに入れた名前が、あとで Power Automate 側の入力欄の名前になります。

ただ空だと Power Automate 側に欄が出てきません。見落としやすいので、私は先に埋めてから次に進むようにしています。
大文字と小文字、全角と半角、前後のスペースまで区別されます。
手で打ち直すより、決めた名前をコピーして貼るほうが確実です。
手順②:Power Automate で Word に流し込む
Word テンプレートが用意できたら、Power Automate 側でそれを呼び出します。
使うのは 「Word Online(Business)」 コネクタの
「Microsoft Word テンプレートに入力する」アクションです。
フローに「Word Online(Business)」を追加し、テンプレートに入力するアクションを選びます。
場所(SharePoint サイトまたは OneDrive)、ドキュメントライブラリ、ファイルを順に選びます。テンプレートはあらかじめクラウド側に置いておく必要があります。
ファイルを選ぶと、Word で設定したコントロールのタイトルが、そのまま入力欄として並びます。ここに動的なコンテンツを入れていけば完成です。
まずコントロールのタイトルが空になっていないかを見ます。
タイトルが未設定だと、Power Automate 側は受け取り先を認識できません。
テンプレートを選び直しても出てこない場合は、Word に戻ってプロパティを確認するのが早道です。
生成されたファイルは、そのままメールに添付したり、SharePoint に保存したりできます。
文書を作って終わりではなく、作った先まで自動でつなげられるのがこの構成の利点です。
手順③:Copilot Studio から呼び出す
ここまでで「値を渡せば文書ができる」状態になりました。あとは会話から値を渡すだけです。
Copilot Studio のトピック編集画面で「+」→「アクションを追加する」を選びます。一覧に、保存済みの Power Automate フローが並びます。
入力欄は2つあります。左が「型」(文字列・数値など)、右が「名前」(パラメーター名)です。
ここは並びが直感と逆に見えるので、「左は型、右は名前」と押さえておくと迷いません。
テスト画面で実際に会話を流し、フローが呼ばれるか確認します。このときPower Automate 側の実行履歴も一緒に開いておくと、どこで止まったかがすぐ分かります。問題なければ公開します。

私は実行履歴を並べて開くようにしています。どちら側で止まったのかが、それだけで分かります。
🔄 戻り値を受け取りたいとき
フローの結果をボットにしゃべらせたい場合は、フローの末尾に
Copilot Studio へ応答を返すアクションを置きます。
ここで設定した値が Copilot Studio 側の変数に入るので、
その変数を使って回答を組み立てます。
ここから先は、知らないと必ずハマる仕様
手順どおりに作っても動かないことがあります。原因の多くは、
コネクタ側でサポートされているコントロールが限られていることです。
公式ドキュメントに明記されているので、先に押さえておきます。
✅ 使えるコンテンツコントロール(5種類だけ)
- テキスト(Plain Text)|いちばん基本。まずはこれを使う
- コンボ ボックス|選択肢+自由入力
- ドロップダウン リスト|選択肢から選ぶ
- 画像(Image)|画像を差し込む
- 繰り返しセクション|明細行のように、同じ形を件数分くり返す
リッチ テキスト/文書パーツ ギャラリー/日付選択(Date Picker)/
チェック ボックス/旧形式のフォームコントロール。
とくにリッチ テキストは開発タブで目立つ位置にあるので、そのまま選んでしまいがちです。
日付を入れたくて日付選択を選ぶのも同じ結果になります。
テキスト(Plain Text)で受け取って、書式や日付の形はフロー側で整えるのが正解です。

ただ、使えるのは隣の「テキスト」のほうです。並び順のせいで取り違えやすいところだと思っています。
テンプレートを作るときの制約
テンプレート側にも、明文化された制約があります。作り始める前に確認しておくと、
あとから作り直す手間がなくなります。
📐 数字で決まっているもの
- 入力ファイルは10MBまで|画像を多く貼ったテンプレートは超えることがあります
- API呼び出しは1接続あたり60秒で100回|大量生成をループで回すときはここに当たります
コントロール名はテンプレート内で一意にする|同じ名前を2か所に付けると識別できません。
「氏名」を2か所に出したいなら、氏名_申請者 氏名_承認者 のように分けます。
ヘッダーに画像は入れられません|ロゴをヘッダーに置いた状態で画像コントロールを使うと期待どおりになりません。
本文側に置くか、ロゴは固定画像として埋め込んでおきます。
画像コントロールの入れ子は不可|繰り返しセクションの中に画像を入れる、という構成は通りません。
明細に写真を並べたい場合は、この方法ではなく別の手段を検討します。
Mac版のWordではテンプレートを作成できません|作成はWindowsのデスクトップ版で行います。
ブラウザ版のWordを開いて探しても見つかりません。
テンプレートの作成と編集は、デスクトップ版のWordで行うことになります。
生成されたファイルをあとから直すときも、デスクトップ版のほうが安全です。

ブラウザの Word には開発タブがありません。デスクトップ版で開くと、同じ手順でそのまま進みます。
改行が反映されないときの設定
複数行のテキストを渡したのに1行に潰れる、という現象があります。
これは不具合ではなく、コントロール側の設定です。
コンテンツコントロールのプロパティで
「改行(複数の段落)を許可する」にチェックを入れると、
渡した改行がそのまま反映されるようになります。
既定ではオフので、備考欄や本文のように長い文章を入れる欄では、
先にチェックを入れておくと手戻りがありません。
繰り返しセクションで明細を作る
見積書の明細のように、件数が毎回変わる表を作りたい場合は繰り返しセクションを使います。
作り方は、まず表を1行だけ作り、各セルにテキストコントロールを入れます。
そのうえで行全体を選択して、繰り返しセクションコントロールで囲みます。
Power Automate 側では、この繰り返し部分が配列を受け取る欄として現れます。
1行ぶんのデータをオブジェクトにして、それを件数分並べた配列を渡す形です。
「明細の中にさらに明細」という構造は組めません。
表の中に表を入れたくなったら、その時点で設計を見直すサインです。
会話の側で値を集める
フローと Word がつながったら、あとは会話で値を集める側です。
Copilot Studio では「質問」ノードを並べて、必要な項目を1つずつ聞いていきます。
ここで聞いた答えは変数に入るので、その変数をそのままフローの入力に渡します。
つまり「質問ノードの数=Wordの空欄の数」になるよう設計すると、迷いがなくなります。
聞く順番にもコツがあります。大きい話から先に、細かい話をあとに。
いきなり細かい日付から聞くと、何の話をしているのか分からなくなります。
💡 聞く項目は最初に紙に書き出す
Word のコントロールを作る前に、聞く項目を先に一覧にしておくと手戻りがありません。
項目名がそのまま、Word のタイトル・フローのパラメーター名・会話の変数名になります。
3か所で同じ名前を使うと決めておけば、あとで照合する手間もなくなります。
はじめる前に確認しておくこと
手を動かす前に、2つだけ確認しておくと安全です。
テンプレートの置き場所|Word テンプレートは SharePoint か OneDrive に置きます。
ローカルのファイルは指定できません。共有で使うなら、個人の OneDrive ではなく
SharePoint のライブラリに置いておくほうが後々ラクです。
ライセンスと権限|Word Online のコネクタを使うので、
実行するアカウントがそのテンプレートを開ける必要があります。
フローを他の人に共有したあとで「動かない」となる場合、
接続アカウントがテンプレートを見られないことが多いです。
生成の練習をしていると、テンプレート自体を上書きしてしまう事故が起きます。
コピーを1つ作って、そちらで通してから本番に切り替えると安全です。
実務での使いどころ
この構成が効くのは、「決まった書式に、毎回違う値を入れる」タイプの仕事です。
申請書の下書き|チャットで必要事項を聞き取って、申請書の形にして返す。
本人は書式を探さなくて済みます。
問い合わせ受付票|受け付けた内容を定型の受付票にして、担当部署へ回す。
転記の手間と、転記ミスがなくなります。
定例の報告書|数字と期間だけ聞いて、報告書の枠に流し込む。
毎月同じ作業をしているなら、置き換えられる可能性が高いです。
共通しているのは、書式が固定で、変わるのは中身だけという点です。
逆に、毎回書式が変わるものには向きません。
つながらないときに見る4か所
相談を受けるとき、原因はほぼこの4つのどれかです。上から順に見ていくと早く切り分けられます。
✅ チェックする順番
- フローを保存したか|保存していないフローは Copilot Studio の選択肢に出てきません
- トリガーが合っているか|Copilot Studio から呼ぶ前提のトリガーになっているかを確認します
- 名前がそろっているか|Copilot Studio・Power Automate・Word の3か所で完全一致が必要です
- ファイルの場所が正しいか|テンプレートのサイト・ライブラリ・パスを確認します
この4つで解決しない場合は、Power Automate の実行履歴を開いて、
どのアクションで止まっているかを見ます。入力と出力が見えれば、原因はだいたい特定できます。

最初は「名前の一致」から見ていたのですが、そもそも保存していないケースが一番多いと分かって、順番を入れ替えました。
まとめ
📌 この記事のポイント
- 作る順番は Word → Power Automate → Copilot Studio。呼び出される側から先に用意する
- Word はコントロールのタイトルに変数名を入れる。空だと受け取り先が認識されない
- 3か所で名前を完全一致させる。コピーして貼るのが確実
- つながらないときは「保存 → トリガー → 名前 → 場所」の順に確認する
最初の設定だけは手数がありますが、一度通ってしまえば使い回せます。
会話から書類まで一本でつながると、聞かれて、探して、書き写すという一連の作業がまるごと消えます。
📚 仕様の出典
使えるコンテンツコントロールの種類・10MBの上限・API呼び出しの上限・
「開発」タブがWord Onlineに無いことなどは、
Word Online (Business) コネクタの公式ドキュメントに
明記されている内容です。仕様は更新されるので、実装前に一度目を通すことをおすすめします。
※ 本記事は公開日時点の内容です。筆者が実際に試した手順をまとめたもので、
Copilot Studio・Power Automate・Word の仕様は今後変わる可能性があります。
※ 記事の構成・図解の一部は、AIを壁打ち相手にしながら作成しています。


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