メールの重い添付を自動でOneDriveへ|“魔法の箱”フローの作り方(Power Automate)

Power Automate 実践・Tips

メールに届いた添付ファイルを、自動で OneDrive に保存するフローを作ります。
議事録や見積書などを毎回手でダウンロードして保存する手間がなくなり、保存し忘れも防げます。

重い添付を PC にため込まず、決まった場所にまとめておけるのがメリットです。
タイトルの「魔法の箱」は、放り込むだけで中身がクラウドに整理される OneDrive のことだと思ってください。

やることはシンプルですが、毎日のメール処理にそのまま効きます。Power Automate を初めて触る人でも、画面のどこを押すかまで分かるように、手順をひとつずつ書いていきます。

重い添付を魔法の箱(OneDrive)に自動保存するイメージ
▲ X で紹介した1枚。重い添付を手でため込む“before”から、放り込むだけの“魔法の箱”へ

 

完成イメージ ── 添付が「箱」に吸い込まれる

まず、できあがりの形を見ておきましょう。
届いた添付メールが、自動で OneDrive(魔法の箱)に保存されます。
設定したあとの作業は自動なので、手で保存する必要はありません。

届いた添付メール重い PDF・画像…自動で魔法の箱(OneDrive)リンクで開く・共有できるあなたは何もしない
▲ 届いた添付が、自動で OneDrive に保存される。手作業はゼロ
ひとつだけ正直に。これをやっても受信トレイ自体の容量は減りません。
あくまで「PCにダウンロードしてため込まない」「リンクで共有する」「保存し忘れをなくす」ための仕組みです😊

 

用意するもの(プレミアム不要)

特別な準備はいりません。
会社や学校で配られる Microsoft 365 があれば、追加料金なし(標準コネクタだけ)で作れます。

  • Office 365 Outlook(いつものメール)
  • OneDrive for Business(保存先のクラウド)
  • Power Automate のサイト(make.powerautomate.com)

💡 ここがポイント

今回使う3つのアクションは すべて標準コネクタ。
プレミアム(有料)ライセンスは不要です。

 

はじめに:Power Automate へのサインイン

「そもそもどこから入るの?」という方へ。
Power Automate は、ふだん使っている 会社(や学校)の Microsoft アカウントでそのまま入れます。

🔑サインインの手順
  1. ブラウザ(Edge や Chrome)で make.powerautomate.com を開く
  2. 会社・学校のメールアドレス(Microsoft 365 のアカウント)を入力して「次へ」
  3. パスワードを入力してサインイン(多要素認証が出たら、いつものスマホ承認でOK)
  4. 画面が出れば準備完了。
    これが Power Automate の作業場所です

💡 入れないときは

個人用の outlook.com や gmail.com では一部機能が使えません。会社・学校で配られたアカウントで入るのが確実です。
会社でPower Automateが無効になっている場合は、情報システム部門に相談してみてください。

 

作るフローの全体像

やることは 3つのアクションを上から順に並べるだけです。
②の「くり返す」の中に③を入れるのがコツ。
こうすると、1通に添付が何個ついていても全部保存できます。

トリガー① 新しいメールが  届いたとき (V3)くり返し② 添付ファイルで  くり返す③ この中で保存ファイルの作成OneDrive に自動保存添付が何個でも全部
▲ 3ステップだけ。②くり返しの“中”に③保存を入れる

 

ステップ0:からっぽのフローを新規作成する

まずは入れ物(フロー)を用意します。
ここは初めての人がつまずきやすいので丁寧にいきます。

0新しいクラウドフローを作る
  1. ブラウザで make.powerautomate.com を開く(Microsoft 365 のアカウントでサインイン)
  2. 左メニューの 「作成」 をクリック
  3. 「自動化したクラウド フロー」 を選ぶ(=何かが起きたら自動で動くタイプ)
  4. フロー名に 「メール添付を自動保存」 など分かる名前を入力
  5. トリガーを聞かれたら、いったん 「スキップ」(次のステップで選びます)
クラウド フローを構築する
フロー名 *メール添付を自動保存
フローのトリガーを選択してください *トリガーを検索(次のステップで選びます)
▲ 「自動化したクラウド フロー」を選ぶと出る画面。フロー名を入れて作成します

 

作り方は3ステップ(実画面つき)

ここからが本番です。
下のスライドが3ステップの全体図。
これを1つずつ、実際の設定画面とあわせて見ていきます。

重い添付をOneDriveへ保存するフローの作り方3ステップ
▲ 作り方の全体図。①メール受信 →②くり返し →③OneDriveに保存。コツは①の詳細設定

ステップ①:メールが届いたら動き出す設定(ここが一番大事)

最初のアクション=トリガーを置きます。
「添付メールが届いたら動き出す」きっかけの部分です。

アクションを検索して選ぶ
Outlook
新しいメールが届いたとき (V3)
Office 365 Outlook
これを選ぶ
▲ 「Outlook」で検索して、このトリガーを選びます
新しいメールが届いたとき (V3)Office 365 Outlook(トリガー)
実際の設定画面
パラメーター設定コード ビュー
添付ファイルを含めるはい ▾
添付ファイル付きのみはい ▾
▲ 「詳細設定を表示」を開いて、上の2つを「はい」にするのが肝です
1メール受信トリガーを置く
  1. 画面の 「+ 新しいステップ」 をクリック
  2. 検索ボックスに 「Outlook」 と入力し、「Office 365 Outlook」 を選ぶ
  3. アクション一覧から 「新しいメールが届いたとき (V3)」 を選択
  4. カード下の 「詳細設定を表示」 をクリックして隠れた項目を開く
  5. 「添付ファイルを含める」を「はい」 にする ←★これが最重要
  6. 「添付ファイル付きのみ」も「はい」 にする(添付なしメールでは動かさない)
⚠️ ここを忘れると一番ハマります。 「添付ファイルを含める」が「いいえ」のままだと、トリガーは添付の“中身”を受け取りません。
フローは動くのに、保存されるファイルが空っぽ…という詰まり方をします。
最初に必ず「はい」にしてください。

実際の画面

トリガーの設定。「添付ファイルを含める」と「添付ファイル付きのみ」は両方「はい」
▲ トリガーの設定。「添付ファイルを含める」と「添付ファイル付きのみ」は両方「はい」

テスト中は、件名フィルター(例:件名に [保存] を含む)を付けておくと、狙ったメールだけで安全に試せます。
慣れたら外せばOKです。

ステップ②:添付を1個ずつ処理する「くり返し」

1通のメールに添付が 複数ついていることがあります。
なので「添付を1個ずつ取り出して処理する」ループで囲みます。
むずかしそうに聞こえますが、項目を1つ選ぶだけです。

アクションを検索して選ぶ
コントロール
Apply to each
コントロール
これを選ぶ
▲ 「コントロール」で検索して「Apply to each」を選びます
Apply to each(添付ファイルでくり返す)コントロール
実際の設定画面
パラメーター設定
以前の手順から出力を選択添付ファイル
2くり返しで囲む
  1. ステップ①の下の 「+ 新しいステップ」 をクリック
  2. 検索ボックスに 「コントロール」 と入力して選ぶ
  3. アクション一覧から 「Apply to each」 を選択
  4. 「以前の手順から出力を選択」の枠をクリックすると、紫色の 動的コンテンツ一覧が出る
  5. その中から 「添付ファイル」 を選んで入れる

実際の画面

同じ形で組んだ筆者のフロー(保存先は SharePoint にしています)。Apply to each に「添付ファイル」、その中で保存
▲ 同じ形で組んだ筆者のフロー(保存先は SharePoint にしています)。Apply to each に「添付ファイル」、その中で保存

動的コンテンツ
動的コンテンツを検索
添付ファイルこれを選ぶ
差出人
件名
本文プレビュー
▲ 枠をクリックすると出る「動的コンテンツ」。ここから「添付ファイル」を選びます
動的コンテンツは、前のステップが受け取った値を後ろで使うための“差し込み”です。
紫色のタグで出てきます。
ここでは「届いたメールの添付ファイル一式」を指しています。

ステップ③:OneDrive に保存する(くり返しの中に入れる)

いよいよ保存です。必ず②のくり返しの「中」に置きます。

アクションを検索して選ぶ
OneDrive
ファイルの作成
OneDrive for Business
これを選ぶ
▲ 「OneDrive」で検索して「ファイルの作成」を選びます
ファイルの作成OneDrive for Business
実際の設定画面
パラメーター設定
フォルダーのパス */メール添付
ファイル名 *名前
ファイル コンテンツ *コンテンツ
▲ ファイル名=「名前」、中身=「コンテンツ」を動的コンテンツから入れます
動的コンテンツ
動的コンテンツを検索
名前これを選ぶ
コンテンツこれを選ぶ
サイズ
コンテンツの種類
▲ 「名前」と「コンテンツ」は、どちらもこの動的コンテンツから選べます
3OneDriveに保存する
  1. ②の枠の 内側にある 「+ アクションの追加」 をクリック(外側ではない点に注意)
  2. 検索ボックスに 「OneDrive」 と入力し、「OneDrive for Business」 を選ぶ
  3. アクション一覧から 「ファイルの作成」 を選択
  4. 「フォルダーのパス」=保存先フォルダを指定(例:/メール添付。
    フォルダアイコンから選べます)
  5. 「ファイル名」=動的コンテンツの 「名前」 を入れる
  6. 「ファイル コンテンツ」=動的コンテンツの 「コンテンツ」 を入れる
  7. 右上の 「保存」 をクリックして完成

💡 保存先フォルダは先に作っておく

OneDrive にあらかじめ 「メール添付」 のような空フォルダを1つ作っておくと、パス指定で迷いません。

 

動かしてみる(テスト)

作ったら、本当に動くか確かめます。

✓テストして確認する
  1. 自分のメールアドレス宛に、適当なファイルを添付したメールを1通送る(件名フィルターを付けた人は件名に [保存] を入れる)
  2. 1〜2分待つ(自動で動きます)
  3. 指定した OneDrive のフォルダを開く → 添付ファイルが増えていれば成功!
  4. うまくいかないときは、Power Automate の 「実行履歴」を開くと、どこで止まったか色(緑=成功・赤=失敗)で分かります

 

つまずきポイント(先に知っておくと安心)

  • 保存したファイルが0KB・空っぽになる → ①の「添付ファイルを含める=はい」を忘れているのが原因。
    ほぼこれです。
  • 同じ名前のファイルが上書きされる → 「ファイルの作成」は同名だと上書きします。
    残したいなら、次の応用でファイル名に日時を足します。
  • 署名のロゴ画像まで保存される → メール署名の画像も「添付」として届くことがあります。
    気になる場合はファイルサイズや拡張子で条件を足して絞ります。

応用:ファイル名に日時を足してかぶらないようにする

「ファイル名」を、動的コンテンツのかわりに 式(Expression)にして、こう書きます。

concat(formatDateTime(utcNow(),’yyyyMMdd_HHmmss’), ‘_’, items(‘Apply_to_each’)?[‘Name’])

こうすると 20260626_140530_見積書.pdf のように、かぶらない名前で保存されます。items('Apply_to_each')?['Name'] は「いまループで処理している添付の名前」という意味です。

実際の画面

ファイル名は formatDateTime(...) と添付の name をくっつけただけ
▲ ファイル名は formatDateTime(…) と添付の name をくっつけただけ

 

まとめ

やったことは 3つのアクションを並べただけです。

  • ① メール受信トリガーで「添付ファイルを含める=はい」にする(ここが肝)
  • ② Apply to each で添付を1個ずつ回す
  • ③ その中で OneDrive「ファイルの作成」に保存する

難しい式は使っていません。
それでも「添付を手で保存する」という毎日の小さな手間がなくなって、ファイルの置き場所が1つに揃います。“探す時間”を減らす自動化として、最初の1本にちょうどいいテーマだと思います。

📋 この記事で学んだこと

 

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※ 本記事は公開日時点の情報をもとに、筆者が実際に学んで試した内容を整理したものです。Power Automate の画面や仕様は更新されることがあるため、最新の状況は公式情報(Microsoft Learn)もあわせてご確認ください。設定画面の項目名・挙動は Microsoft Learn および実機(Power Automate デザイナー)で確認しています。

※ 本記事の構成や、操作画面を分かりやすく図解(再現)した部分は、一部 AI と壁打ちしながら作成しています。

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