今まさに推進中の方や、これから始めようとしている方にとって、何かの参考になれば嬉しいです。
Power Platformを社内に広げようと活動してきて、最近、ひとつ気づいたことがあります。
DXは担当者を「上から任命する」と広がらない
これまでよくあったのは、「〇〇をやるから、各部署から1人ずつ出して」というトップダウンの進め方。
でも、それでうまくいった例は、あまり見かけませんでした。
そういう形で集められても、結局アウトプットは生まれません。
DX推進は「やらせる」ものではなく、
そんな気づきを、Power Platform講座をつくっていく過程でのの試行錯誤から得ました。
自分自身が「やらされる側」だったら…
私がPower Automate Desktopに出会ったのは3年前。
誰かに言われて始めたわけではなく、「これ、面白そうだな」と思って、自分から触り始めたのがきっかけです。
(社内研修も同じタイミングで参加し、これも良いきっかけでした)
最初は、ボタンを押すだけで何かが動くのが楽しくて
「これ、仕事で使えるかも」と思った瞬間に、自然とのめり込んでいきました。
だからこそ、続けられたのかもしれません。
「自分で選んだ」という感覚があったからです。
もしあのとき、「あなたが担当だからやって」と唐突に言われていたら、
間違いなく今のようなDX推進の仕事にはつながっていなかったと思います。
興味がないと、やっぱり難しい
実際に、上司から任命された人がうまく動けなかったケースも見てきました。
- 「やらされている感」が強くて、モチベーションが上がらない
- そもそもPower Platformに興味がない。
- 他の業務が忙しい
- 周囲に相談できる人もいなくて、孤立してしまう
こうなると、せっかくの推進役も、ただの“名ばかり担当”になってしまいます。
もったいないなと感じる場面が何度もありました。

”名ばかり担当”が本当に多いです、、、。
だから、「育てる・集まる」スタイルに変えてみた
そこで、今期からのPowerPlatform推進方針として,
「任命」ではなく「育てる・集まる」スタイルに切り替えてみました。
まずは、焦らずPower Platformの魅力を伝えること。
「これ、ちょっと面白いかも」「自分の仕事にも使えそう」と思ってもらえるように、講座の内容を見直しました。
たとえば、講座の冒頭で「今日は作らなくて大丈夫です。使うだけでOKです」と伝えると、
参加者の雰囲気が和らぐのがわかります。
「そういう感じなら、ちょっとやってみようかな」と思ってもらえる空気が生まれます。
- フローを“作る”のではなく、“使う”だけでOK
- 難しい言葉は使わず、できるだけシンプルに
- 「楽しい」と感じてもらえるように、構成も工夫して
とにかく、徹底的にハードルを下げることを意識しました。
まだ1回目。でも、少しずつ動き始めている
この新しいスタイルでの講座は、まだ1回目を終えたばかりです。
ただ、参加者の反応からは、興味を持ってくれた人が増えているように感じました。
講座後には、Teamsで個別に質問をくれる方もいて、
「もっとやってみたい」「自分の業務にも応用できそう」といった声も届いています。
「これ、家でも試してみました」という報告もあり、
少しずつ、動き始めているのかなと。

「使うだけじゃ物足りない!」そんな人が自然と増えてきている実感があります
「集まる場」があると、人は育つ
もうひとつ大切にしているのが、「集まる場」をつくることです。
- 気軽に話せる
- 上下関係を感じさせない
- 安心して質問できる
そんな雰囲気を意識して、LT会や懇親会のような場づくりも進めたいと考えています。
「やらされる」のではなく、「やってみたい」と思える環境。
それがあるだけで、人は自然と育っていくのだと感じています。

推進者は環境づくりに専念する。これが大事なのかもと思っています
これからの講座は、もっと自由に。ワクワクを。
今後の講座では、Power Automateの使い方だけでなく、
- 他社の事例紹介
- Power Platform全体でできることの紹介
- 「こんなこともできるんだ!」という驚きやワクワク
そんな、“自由度の高さ”や“可能性の広がり”を伝えていきたいと思っています。
たとえば、Power Appsで自分専用の業務アプリを作ったり、
Power BIでデータを可視化して「見える化」したり。
Power Virtual Agents(旧称)でチャットボットを作って、問い合わせ対応を自動化することもできます。
ライセンスが与えられたらいつかはCopilotStudioでAIエージェントの講座も開催したいです。
まだまだこれから勉強が必要ですが。。
最後に
個人的な感想ですが、
Power Platformは、ただの業務効率化ツールではなく
“自分のアイデアを形にできる”ツールだと思います。
だからこそ、「これなら自分にもできそう」「ちょっとやってみたいかも」
そんな気持ちを持ってもらえるような講座にしていきたいと思っています。
任命ではなく、育てる・集まるスタイルで、
Power Platformの魅力を、もっと自然に、もっと楽しく広げていけたらと思っています。
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